top of page

Vol.007 人種差別で訴えられたこと

  • MY
  • 2022年2月6日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年6月6日

村上回顧録(禁断のビジネスエンターテイメント)留学記-Vol.007 人種差別で訴えられたこと


1982年にロスアンジェルスでTechni Marketing International, Inc.(TMI)を起業して以来、過去3回、訴訟問題があった。単一民族の島国日本と違って、人種の坩堝のアメリカでの採用はとても難しい。何故ならば、年齢も家族構成も(未婚か既婚かも含めて)性別も宗教も出身地も、職務経歴以外のことを聞くことはタブーだ。


それに加えて、大抵の応募者は、あれも出来る、これも出来るとスーパーマン並みに真実のキャリアにかなり盛り付けをしてアピールしてくるので、必ずProbation(試用期間)があり、その間に見極める必要があるのだが、この男性は日本人女性と結婚していて(日系二世でない場合、日本語を流暢に話せると訴える応募者は、そういうケースが多い)ビジネスレベルの日本語が話せる、他、業務に必要なスキルもあると言うので採用してみたが、明らかに日本語はビジネスレベルに達しておらず、他の業務のスキルに関しても要件を満たしているとは言えなかったので、試用期間終了で不採用とした。


ところが、その後突然「Jewish(ユダヤ人)だと、人種差別を受けた」と訴えられた。寝耳に水だった。もちろん人種差別をしていないどころか、その男性の人種は訴えられた時に知った。そもそも、TMIの副社長はユダヤ人だったし、全くの言いがかりだった。他の訴訟2件も同じようなものだった。


アメリカで外国人が起業するということは生半可なものではない。ビジネスを継続するということ以外に、こういう煩わしいことは少なからず起こるものなのだ。特に訴訟大国アメリカではなおのこと。よく「救急車を追いかけるのは弁護士」というアメリカンジョークが表しているが、残念なことにアメリカで悪徳弁護士は多い。

弁護士の人数が多いアメリカでは花形であるM&Aだの、大きな案件や一流企業の顧問弁護士は一握りだし、それに漏れてしまった弁護士は小さい訴訟でも良いから、小銭を稼ぐために会社を辞めた人にけしかけて、人種差別だ宗教差別だ何とかハラスメントだと企業を訴え、企業から大金を得るように悪知恵を与えるのだ。先の救急車を追いかけるジョークは交通事故の場合、事故相手を医療費や後遺症やらで訴えれば勝てると言いに行くからだ。


この訴訟の結果だが、残念なことに示談になった。もちろん、本当に差別があったわけではないが、TMI側の弁護士から「争えば争うほど、時間とお金がかかるから、示談で手を打った方が良い」と言われたのだ。会社の顧問弁護士なのに、一体誰の味方なのか?こんな馬鹿な話はないと思う。弱者が訴えた者勝ちというのが現実なので、今後海外で起業しようと思っているのであれば、この様な落とし穴があることは、ある程度予見しておいた方が良いとアドバイスする。


 
 
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square

#309 Shinjuku N-Town Plaza, 3-12-4 Shinjuku, Shinjuku-ku, Tokyo 160-0022

  • Facebook Clean
  • LinkedIn Clean
  • Twitter Clean

© TMI Consultants, Inc. / Techni Marketing International, Inc. All rights reserved

bottom of page